ご相談の多い症状・お悩み
こんな経験、ありませんか?
- 人の名前や物の名前が思い出せない。
- 物を置き忘れる、しまい忘れてしまうことが増えた。
- 一度聞いたことを、何度も繰り返し確認してしまう。
- 作業の途中で、そのまま放置してしまう。
- 食事したことを忘れてしまう。
- 外出して帰り道が分からなくなる。
- 適切な判断ができなくなってきた。
こうした行動・言動・症状が目立つようになってきたら、認知症の初期症状を疑います。
認知症は本人自身に自覚がない症状も多く「歳のせいだな」と軽視してしまう方も多いです。
周りの人にこのような症状の指摘を受けることが多くなったら、一度、専門医の検査を受けることをお勧めいたします。
早期発見・早期治療には認知症検査へ
日頃から定期的な認知症検査を行うことで早期発見・早期治療を行うことができます。
そのためには「軽度認知障害の段階での発見」が重要です。
早期に治療を開始することで、認知症の発症を未然に防いだり、遅らせたりすることができます。
QOL(生活の質)や健康状態を長く維持できるように、病気と向き合っていきましょう。
ご家族の方へ
認知症の症状(初期症状)の一例として、
- すぐに怒ったりする。
- 突然落ち込んだり、はしゃいだりする。
- 何事に対しても、意欲が薄れてきた。
など、一見、認知症とは関係のないような行動・言動が見られることもあります。
こうした症状に気づかれたご家族は、感情的に接しないように配慮をお願いします。
一度検査をして、異常がなければそれに越したことはありません。
自然な形で専門医の受診をすすめていただけると幸いです。
認知症の種類(代表疾患)
認知症は原因の違いによっていくつかの種類に分けられます。
主なものに、
- アルツハイマー型認知症
- 脳血管型認知症
- レビー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
があげられます。
このうち「アルツハイマー型」と「脳血管型」の2つで認知症全体の約80%を占めるといわれています。
アルツハイマー型認知症
認知症のなかでももっとも一般的な「アルツハイマー型」。
この疾患を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
アルツハイマー型は女性のほうが罹りやすいといわれています。
原因
脳の中で「記憶の形成」を担う海馬(かいば)と呼ばれる器官に障害が起こります。
神経細胞死による萎縮が徐々に進行し、最終的には脳全体に広がっていきます。
症状
アルツハイマー型認知症の主な症状として、以下のようなものがあげられます。
- 激しい物忘れがある。
- 人や物の名前を忘れやすくなる。
- 人や物の名前を間違えやすくなる。
- 今いる場所や時間がわからなくなる。
- 何度も同じ言動を繰り返す。
- 徘徊するようになる。
進行に伴って、徐々に認知障害が低下していきます。
脳血管型認知症
脳内の血管障害(脳出血や脳梗塞など)によって起こる認知症です。
損傷した脳の部位によって、機能障害の現れ方が異なります。
原因
- 脳出血
- 脳梗塞
- くも膜下出血
などによる血行障害(脳の血管が破れたり詰まったりする)が起こることで発症します。
症状
- 激しい物忘れがある。
- 人や物の名前を忘れやすくなる。
- 人や物の名前を間違えやすくなる。
- 今いる場所や時間がわからなくなる
- 運動障害、知覚麻痺、言語障害などが見られる。
- 思うように行動できなくなる。
→ 例:計画性がなくなる、計画通り実行できない、など - 喜怒哀楽の起伏が激しくなる。
脳血管障害が起こるごとに認知機能が階段状に低下します。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、患者さんによって症状の現れ方が異なる認知症です。
高齢の方(75~80歳くらいの方)に多く認められます。
また時間帯や日によって症状が変動することも多く、診断しにくい病気でもあります。
原因
脳の神経細胞の中に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質の塊がみられます。
このレビー小体が大脳に広くに現れると、その結果、認知症になります。
症状
- 実際にはいない人が見える。(幻視)
- 異常言動などの症状が目立つ。
→ 例:眠っている間に怒鳴ったり、奇声をあげたりする。 - パーキンソン症状が起こる。
→ 例:手足が震える、小刻みに歩くなど。
頭がボーッとしたり、はっきりしたりと、日によって容態が変わるのも特徴の1つとしてあげられます。
前頭側頭型認知症
ほかの認知症と比べても、若年で発病することが多いとされている認知症です。
原因
主に思考や判断し行動する機能を司る「前頭葉」、聴覚や記憶を司る「側頭葉」の神経細胞が徐々に壊れていることで、様々な症状が表れる認知症です。
詳しい原因は明確にわかってはいません。
初期症状
- 性格変化
→ 例:他人に配慮することができない。 - 行動異常
→ 例:周りの状況にかかわらず自分勝手な行動をとってしまう。
など、病気の始まりから終わりまで「物忘れではない」言動・行動が起こります。
その特徴によって、「性格が変わっただけ」と誤解を受けて、病気の発見が遅れてしまう傾向にあります。